運を良くする15の極意:時の運を見極める力を持つ

伝統風水を研究していると、易経や道教が起源となっている古い中国のことわざ「一命二運三風水」という言葉が良く出てきます。「一命、二運、三風水、四積陰徳、五読書、六名、七相、八敬神、九交貴人、十養生…」と続き、15まであります。
今回は、運を良くする15の極意「其の2」を解説していきます。

まだ前項を読まれていない方は、まずこちらから→ 運を良くする15の極意「其の1」:「運命」と「持って生まれた特質」を知る

時の運を扱うということ

運命や宿命は、基本的に大きく変わることはありません。
ですが、あることを機に良くも悪くも人生が変わるということがあります。

これって、どういうことだと思いますか?

 

実は…

「時の運を味方につけるか、つけないか」ということなのです。

人生というものは、時の運をどう扱うかによって変化していきます。
「時の運?よく分からない…」という人もいるかも知れませんね。

ここで言う時の運とは、機を見計らうということです。

春夏秋冬があるように、潮の満ち引きがあるように、
日が昇りやがて沈むように…。

春になれば田畑に種を撒き、秋になれば収穫する。
時の流れ、季節、気温、どの時期に種を撒けば大きな収穫となって返ってくるのか。
そういうことを見極め、一番欲しい成果を手にする、いわば勝機のことです。

いつ行動を起こすかで、実りも変わってきます。
時に前進すべきときがあり、時に後退すべき時があり、常に情勢は変化しています。

そんな時にあって、私達は思い描いてチャンスを待ち、いいタイミングで機を掴み、成功を収めなければなりません。

幸せになるのは義務

成功の定義は人によって違うでしょう。

ある人はお金持ちになりたいでしょうし、
ある人は好きな人と結ばれたいでしょう。

ですが、どんな人にも確実に言えるのは、幸せになるというのは権利でなくて義務ということです。
そして、最高の自分を生きるということです。

「幸せになる!最高の自分を生きる!」そう決めた時、時の運を見極め味方につけるというのは理にかなった方法なのです。

↓幸せになるというのは権利でなくて義務:「アランの幸福論」を元にした、こちらの心理学漫画の説明が、とってもわかりやすく、おすすめですのでリンクを貼らせていただきます。
ゆうクリニックさんの公式サイトでお読みください)

ゆうクリニック様|アランの幸福論「人間には幸福になる義務がある!」

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例えば結婚式を挙げる時、(相当ひねくれた人でない限りは)どうせなら大凶の日よりは大安の吉日のほうがいいですし、大嵐よりは快晴の日に挙げたいですよね。

「自分は気にしないぜ!」という人であっても、自分の愛するパートナーやご家族のことを思えば、少し考えも変わってくるかと思います。

お子さんやお孫さんの結婚式だとしたら、尚のこと「どうせなら良い日に挙げて、末永く幸せでいてほしい」と思うものです。

だから、吉日や天気の良い日(安全な時)を選ぶのです。

時の運を見極める方法とは?

では、どういう方法で時の運を見極めていくのでしょうか?

釣りで例えてみましょう。

私自身、最近趣味ではじめましたが、釣りというのは難しい…なかなかお魚さんが餌に飛びついてくれません。
(ぜんぜん、どうぶつの森とは違います。竿さえ振れば魚が飛びついてくるわけではないのです!)

何時間経っても釣れない初心者の私の横に、慣れている釣り師の人がサッとやってきて、2~3匹のメジナをパッパッと釣って帰っていくのです。
(唖然とします…)

慣れている釣り師の人や、漁師さんはどのように上手にお魚を釣るのでしょう。
いい竿をつかうとか、鮮度のいい餌をつかうとか、シャクリを入れて餌を美味しそうに見せるとか…まぁ、いろんなテクニックがあるのですが、それだけではありません。

時の運を見極める、という目線でみていくと

  • 釣りたい魚種が来る位置取りをする
  • 釣りたい魚種に合う道具選びをする
  • その日の潮目や水の濁り具合を見る
  • 水温をチェックする
  • 一匹釣れると爆釣りできることがあるので、その日の魚の喰い具合を見極める
  • 漁師さんであれば高性能のソナーを使い魚群を探す
  • 経験値を積み重ねる
  • 「このあたりで釣れそう」など、インスピレーションを大事にする

だいたいこんな感じかなと思います。

時の運を釣りで例えると

時の運を釣りで例えると
Sasin TipchaiによるPixabayからの画像

 

これを一般の人が使うとしたら、どう考えたら良いのか?

  • 得たい成果(未来)のイメージし、方法を考える(位置取り)
  • 得たい成果(未来)に必要な技術などを身につける(道具の準備)
  • 経験値を積み重ね飽和状態を作っていく(多く、濃く、臨界点を超えるまで精度をあげる)
  • 時流を敏感に察知する(流行り、公募、求人、ニュース、新技術などにアンテナを張り情報を集める)
  • 直観(経験からくる洞察)と直感(動物的な勘)を研ぎ澄ましておく
  • 運命占術や心理分析、統計学などをつかい適性や運勢のタイミングを図る
  • チャンスが来たらフットワーク軽く飛びつける準備を整えておく

つまり、「時の運」とは単にラッキーとか、占い上のハッピーな運気とかいう問題ではなく、その人の経験や適性、洞察力、行動力にも紐付いていると言えます。

凶を避けるヒント「君主危うきに近寄らず」

易経では災い(凶)を避けることへのヒントとして、「君主危うきに近寄らず」という言葉があります。
危なそうな話だなぁ…と思う時は、結果危ないことに繋がりやすい。だから最初から近づかないほうが良いよ、ということなのです。

例えばこんなケース

  • 雨が降ったあと、駅の構内やマンションの廊下でツルツルの床が滑ると分かっていたのに走って転ぶ
  • 雪が降るという天気予報を聴いていたのに、夏用タイヤで走って雪道で衝突する
  • 高齢で運転免許を返上したほうがいいと常日頃から思っていたのに、「まだ大丈夫」と過信し、うっかりブレーキを踏み間違えて事故を起こす
  • 足にささくれがあるのを分かっていたのにストッキングを履いてでんせんさせる
  • 悪い噂を聴いていたのに「もしかすると本当は良い人かも」と不用意に近づいて事件に巻き込まれる

大小の違いはあれど、事前情報や経験から「どうなるのかをある程度予期できた」にも関わらず、(めんどくさがったり、軽率だったり、まだまだ大丈夫と過信してしまったり、騙されやすかったりして)回避策をとらなかったことから災難に自ら突っ込んでいく人があまりにも多いのです。

「君主危うきに近寄らず」

凶を避ける=運を見極めるには、予期できることに対して面倒くさがらず、自分自身や周りの人のために事前に対策をすること
でもあるのです。

変化し続ける勇気、進化し続ける努力

私達は、時代に応じて運と時の流れを読み、変化を選択し続ける必要があります。
生きている限り、時代に取り残されたままで居続けることはできません。

時代は流れ、流行り廃りがあり、インフラも生活必需品も常識も変化していきます。

変化することに怯え、ついていけないことに抵抗し怒る人もいるでしょうが、その流れを止めることなどできません。

最近でも、女性はわきまえるべきという発言が女性蔑視として問題になった方がいましたね。
20年前ならさほど問題にもならなかったかもしれません。
ですが、もう時代は変わってきているのです。

働くにも工夫が必要な時代になっています。
新しい常識、新しいスタンダードというのが日々変わって来ているのです。

不思議の国のアリスという小説の続編に、鏡の国のアリスという本があります。

鏡の国のアリス

鏡の国のアリス

この中で、

「ひとつ同じところに留まり続けるためには、動き続けなければならない」
(It takes all the running you can do, to keep in the same place.)
というセリフが出てきます。

中学生の頃、この言葉を読んだ時はあまりの衝撃で「どういうことなんだろう、どういうことなんだろう…」と解釈に悩みました。そして、ある程度大人になった時「あの言葉はこういう意味だったのかもしれない」と、やっと腑に落ちたのです。

この言葉は、生物進化論やビジネス論の中でも「赤の女王仮説」という比喩で用いられています。

赤の女王仮説

つまり、進化をし続けないものは絶滅し、環境変化に対応して進化しつづける種が生き残るという説です。
(種によっては、自分が環境に合わせるのではなく、自分に合う環境に移動していく種もいますね。古代種などは、そうして今も生き残っているのだと思います)

進化をし続けないものは絶滅…こういうと、かなりシビアな話だなぁと感じるかもしれませんね。
ですが、全力であれ、ゆるやかであれ、生き物というのは「学び・感じ・進化していくもの」です。

その中で、突然変異やマイノリティが生まれ、世の中のスタンダードを常に覆しながら多様性を広げていくのです。

陰極まれば陽となり、陽極まれば陰となる。
まさに陰陽太極図のように、ぐるぐると周り、変化しながら時代も生き物も進んでいきます。
これは、止めることはできない現実なのです。

陰陽太極図

陰陽太極図

時代の流れを怖がらずに変化し続ける勇気と、柔軟に進化し続ける努力。
運を味方につけるための必須要項と言えるかもしれません。

退く勇気とライフステージ

いざその時が来たら退く勇気も必要です。

易経の中には「乾為天(けんいてん)」という言葉が出てきます。

若い龍が力を蓄え、天に昇る様子が描かれています。
天に昇りすぎた(歳をとりすぎた)龍は、それ以上昇りたいと思っても力不足で昇ることもできなくなっていきます。そして、降りることもできなくなってしまいます。
退くタイミングを間違えれば、屈強なドラゴンといえど安全とはいえません。

 

「力を蓄えるタイミング」

「機を伺い、一気に昇りつめるタイミング」

「粛々と努力を重ねるタイミング」

「慎重にことを進めるタイミング」

「年齢、力、技術力、時流や状況を見極めて退くタイミング」

というのが必要で、それぞれの人生の局面にあわせて機を見計らうことの大切さを説いています。

スポーツ選手会社の昇進などに照らし合わせると分かりやすいかもしれませんね。

若い頃は基礎力を蓄え、大会に出て賞をとり、努力を重ねてトレーニングをし、時にはスランプもあります。
スランプをなにかのきっかけで乗り越えて、復帰に向けて慎重に身体を整えて成果を残します。
やがて、歳を重ねてパワーや体力だけでは乗り切れないことを感じ、技術を磨いていきます。

ピークを超えて現役を去る頃には、「若い頃の努力」「昇りつめた栄光」「スランプの経験」「技術を磨く」ことを総合し「人を育てる力」に変えて、人生のステージやワークスタイルを移行していくのです。

スポーツ選手だけではありません。あなたに置き換えて考えてみてください。

今、あなたはどのステージで毎日頑張っていますか?
自分の人生のステージを俯瞰的に見てみると、次のステージが明確になる場合もあるかと思います。

幸運を大切にする力とは「恵みに感謝する」こと

そんな流れの時にあって、どんなときでも最も重要なことは「幸運を大切にする方法を知る」ということです。

幸運を大切にする方法、とは具体的にどんなことなのでしょうか。

古来より人は「お米一粒を大切に」と言いました。
日本では、「お米一粒に7人の神様が宿る」とも言いますね。
これは、単純に「お米を大切にしましょう」と言いたいわけではありません。

食事が出来ること、食べ物へのありがたみだけでなく、その米が出来上がるまでの労力など「すべての瞬間と恵みに感謝をする」ということです。

最近のニュースでは、天穂のサクナヒメというゲームが流行っていて、このゲームを遊んだおかげで子供がご飯を残さなくなったというご家庭も多いようです。
ゲームという形であっても「苦労して作物を育てる」ということを体験してみると、ありがたみが増すということなのでしょうね。

天穂のサクナヒメ

天穂のサクナヒメ

運が良い時に恵みへの感謝をせず驕っていては、二度目の祝福が来ることはありません。

そして、災難や試練が来た時、あるいは失敗してしまった時に反省することができなかったり対策を怠たったりすれば、第二、第三の災難(失敗)がやってきます。

「良くない時には反省し対策せよ。良いときほど調子に乗らず、感謝の念で生きよ」ということです。

運勢学は役立つが、気にしすぎれば没する

運勢学(気学や風水、占星術など)は人生に大いに役立ちます。実際私も大変お世話になっていて、日々活用し、研究しています。

ですが、そればかり気にしすぎているようであれば人生を台無しにしてしまいます。

私の知人に20年以上婚活をしている女性がいるのですが、彼女は電話占いにハマって数十万円を毎月浪費していました。占いだけでなく、幸運グッズやパワースポットにもハマりすぎてしまい逆に運を逃しているのです。

カバンには様々な神社の婚活お守りやラッキーグッズなどが大量にぶら下げられ、両手には黒い数珠を何本も重ね付けしています。それを見た共通の友人(男性)は、「さすがに必死過ぎて怖い…」とドン引きしていました。合コンに行っても、どうやらそれが理由でモテないようなのですが、ラッキーグッズだから外すわけにはいかないそうです。

話を聞いていると、「明日はあの方位が悪いからいけない。明後日はこっちの方位しかいけない」と言い、予定を立てるのも一苦労。挙げ句「吉方位で出会ったから」と妻子ありの既婚者と付き合い出し、無理やり結婚を迫って「そんな気、全然ない」と、捨てられてしまったのです。

彼女はいつもダイエットをしていましたが、「自分にとって吉運の食べ物だから」という理由で、偏食になったり色んなものを食べすぎてしまったりして、数年で20キロ以上太ってしまいました。

久しぶりに会った際、あまりに容姿が変わってしまい、待ち合わせ場所で彼女をなかなか見つけられませんでした。

この女性の場合は必死過ぎるあまり極端になってしまった例ではありますが、近い女性もいるのではないでしょうか。

占いは情報であり、選択肢の一つに過ぎません。
もっと総合的に、おちついて使いこなす必要があります。

どんなに健康に良い食べ物でも、食べ過ぎれば毒になるのと同じ。

要は、使い方とバランスが大事なのです。

占いとは予兆を察知するための学問

そもそも、占いとは「当たる、当たらぬ」というものではなく、地の利と時の運(風)を読み、予兆を察知する”力の扱い法”の学問なのです。だから、世界中で研究されているのです。

  • 天変地異を避けるため
  • 豊作を願いもたらすため
  • 交易を(安全に)発展させ、繁栄するため
  • 先祖からの功徳を活かすため
  • 自分や神様を大切に扱うため
  • 幸せになり生命を先の世代につなぐため
  • 人間の生命は宇宙の縮図(星座など)と相似(フラクタル)しているとし、予測として使える情報であると考えられているため

まとめると、こんなところかなと思います。

どの学問にも言えることですが、知識や理論は人生や視野を広げ、羽ばたくためにあるものです。
使命を明確にし、自分を生き、他者と助け合うことに使うものだと私は思います。

運勢学(占い学)を使うとき、悲しいほど人生を窮屈にしたり、あなたの行動に過剰な制限をもたらしているのであれば、うまい使い方とは言えません。

時を読み、吉の流れを生かし、自分や愛する人の人生に活用していく情報の一つと心得てください。

まとめ

今回の要点をまとめてみます。

要点

    1. 人生を変えるには「時の運を味方につけるかどうか」
    2. 「幸せになる!」と決めた時、時の運を見極め味方につけるというのは理にかなった方法
    3. 人間には幸福になる義務がある!
    4. 幸せを望むなら、なるべく吉日を選んだほうが良い
    5. 時の運を見極めるには、得たい未来をイメージし、必要な技術を身につけ経験を積み、時流を察知し、感覚を研ぎ澄まし、運勢のタイミングを図り、チャンスが来たらフットワーク軽く飛びつく力をもつこと
    6. 凶を避けるヒントは「君主危うきに近寄らず」
    7. 生き物は「学び・感じ・進化していくもの」世の中のスタンダードを常に覆しながら多様性を広げていく
    8. 「若い頃の努力」「昇りつめた栄光」「スランプの経験」「技術を磨く」ことを総合し、やがて「人を育てる力」に変えて、人生のステージやワークスタイルを移行していく
    9. 幸運を大切にする力とは、出来上がるまでの労力も含めて「すべての瞬間と恵みに感謝をする」ということ
    10. 運が良い時に感謝を怠ると次の祝福はもう来ない「良くない時には反省し対策せよ。良いときほど調子に乗らず、感謝の念で生きよ」
    11. 運勢学は役立つが、気にしすぎれば没する
    12. どんなものでも、使い方とバランスが大事
    13. 占いとは予兆を察知するための学問。知識や理論は人生や視野を広げ、羽ばたくためにある。使命を明確にし、自分を生き、他者と助け合うことに使うもの。自分や愛する人の人生に活用していく情報の一つと心得えよ。

どんな風に伝えよう、どんな説明なら伝わるんだろう…。そう考えながら一生懸命記事を書いていたら、ちょっと長くなってしまいました。

この記事が、あなたの人生の一助になることがあれば、幸いです

愛をこめて。天珠より。

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